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家づくりの流れ

①ヒアリング

「いい家をつくりたい」と思っていても、いざ家づくりを始めようとすると「何がいい家なの?」「失敗しないためにはどうしたらいい?」と悩んでしまう方が多いでしょう。このモヤモヤを解消し理想の暮らしを叶えるためには、今と理想の両方の観点から家づくりをすることが大切です。

私は、初めてお会いしたときの憧れやイメージから、具体的な目標まで、どんな夢を持っているのかを細かくヒアリングしていきます。楽しみが溢れる会話の中で、あなたの暮らしのイメージを具体化。

時には「〇〇したいけど…」と予算や立地面などの理由で、夢を諦めてしまう方もいます。しかし、私はせっかく抱いている夢を叶えたい。だから、私はあなたの夢を実現するサポートをしっかりしていきます。

②敷地を調べる

特に重要視している点は次の3つ

  • 陽光の差し込み方とその方向
  • 風の吹き方と季節による変化
  • 心地よい景色が見える方向

その他にも、近隣の環境や自然災害の影響、必要な施設の近さ、隣地の状況といったさまざまな観点があります。

私はとくに、光の方向や風のパターン、美しい景色の方向を重視。自然の特性を理解しないと、お客様の要望に応えることはできないから。例えば、住まう人が風通しの良い家を希望していても、その土地の風の流れを知らないと希望は実現できません。

窓を開けるだけでは、風が入ってこないケースもあるので、風の流れを考慮し、間取りや窓の配置を決めることが大切です。また、隣地との距離が近い場合、お互いのプライバシーを尊重するために、窓の位置や高さにも考慮する必要があります。

③基本計画・プランニング

ヒアリングから住まう人の憧れの暮らしと、調べた敷地の特性を押さえたら、ラフなプランやデザインを検討し案を作成。

家づくりにおいて私が、最も重要視する「基本計画」。あなたの暮らしを想像し、要望を実現するためのアイデアを自由に描いて行くため、私は手描きで作成していきます。

基本計画は今後の家づくりの基盤。そのため、じっくり時間をかけます。意見を交換し、”憧れの暮らし”を適切なものに。

何度も修正を重ねていきますが、この段階で計画が十分に話し合い納得できるものに仕上げなければ「いい家」はできません。この作業は私自身も楽しいですが、同時に苦しい工程。しかし、納得いくまで何度でも修正し、最終的には満足のいく仕上がりができるまで、じっくり考えます。

④実地設計

基本計画に基づき、建物の詳細な図面を作成。収納の形式や寸法、内装や外装の素材など、細かな部分まで詳細に決めていきます。また、電気、給排水、エアコンなどの設備や庭や塀などの外構工事に関する図面も作成。これが実施設計と呼ばれるプロセスで、50枚以上の図面にもなります。

この段階でも、何度も意見交換し、より適切な設計へとブラッシュアップ。敷地の特性や風の流れ、光の方向などを考慮し、窓の位置や開閉方法も決定。

また、建物の強度や耐久性といった安全面はもちろん、広がりを感じさせる工夫や湿気や健康に関する対策など、快適な暮らしを実現するために欠かせない工夫も施していきます。

⑥施工会社の決定

当社では、お客様が選択する業者さんとの信頼関係を重視。見積もり内容の確認や最終的な工事金額の決定においてサポートしていきます。お客様は自由に業者を選択できますが、私たちは客観的な目で見積もり内容を確認し、適切に選択できるためのアドバイスを提供。

複数の業者からの見積もりを比較検討できると、適正な価格を見極められますが、価格だけでなく実績や社会的信用、地域性、そして業者との相性なども考慮し、最終的に信頼関係が築ける業者を選定することが重要。

万が一、予算と見積もり価格がずれてくる場合には、、価格の抑制を図るために工事内容の調整をし、必要な工事とそうでない工事を見極めていきます。ここでも、お客様が「どのような暮らしをしたいか」を忘れず、理想を実現するためのサポートを怠りません。

⑦工事監理

工事監理は、主に現場に足を運び、図面通りに施工されているかを客観的な目でチェック。また、住まい手からの変更希望がある場合には、それに伴う図面の作成や金額・工事方法・日程の調整をおこないます。同時に、工事の進捗状況や予算の監理、質問や疑問への対応、苦情のフォローアップなども実施。

このように定期的に打ち合わせをい、施主さん・作り手・私たちと協力して進行。現場では、図面通りに作業がおこなわれているかだけでなく、実際の現場から改善点が見えてくることもあるので、住まい手が心地よく使い勝手の良い状態を実現するために細かな調整も忘れません。隣家との窓の位置関係や、コンセントやスイッチの位置調整など細かな点についても確認をしていきます。

⑧完成検査

工事が完了後、建物全体の細かなチェックを実施。法的に必要な図面通りの仕様や寸法に加えて、安全性や雨漏りのリスク、仕上げの品質、設備機器の機能性なども丁寧に確認します。業者さん自身も事前に社内検査を行い、指摘された点を修正。最終的には行政の完成検査を受け、引き渡しの準備を開始します。

引き渡し前には、住まい手と共に各種確認を行い、業者やメーカー担当者による設備機器の使い方や取扱説明を受けます。

引き渡し数日前には、日の光りの入り具合を確認をしながら、一日を通して住まいの写真撮影を実施。夕刻からはすべての明りを灯し、配光の確認も忘れません。灯りを灯した室内は、日中とは全く違った雰囲気を醸し出し、穏やかで落ち着ついた雰囲気が感じられます。

撮影も終わり灯りを一つ一つ消して周りが暗くなっていく時、今までのことが頭の中を過ぎると、とてもセンチで寂しい気持ちになってしまいます。

⑨引き渡し

ヒアリングでは、楽しく意見を交換し合いながら、住まい手が喜ぶ空間のイメージを探り、基本計画では苦労しながらも、最終的には住まい手の笑顔を見ることができ、その喜びはなんとも言えない感慨深い想いです。

明日で引き渡しとなり、心境は大事な娘を嫁に出すような寂しさに包まれます。最後のあかりを消してドアを閉める瞬間には、ただただ「ありがとうございます」と感謝の気持ちでいっぱいです。この素晴らしい機会を与えていただき、毎回私はこの瞬間に幸せを感じています。

⑩アフターフォロー

住まい手への建物の引き渡しの際には、寂しさはなく、むしろ住まい手の喜びに触れることで私も幸せな気持ちになると同時に、安堵の感情も湧きおこります。

引き渡しの時点では、建物はまだ「家」という感覚ではなく、何か冷たさが感じられます。しかし、住まい手が引っ越しを終え、自分の家具やお気に入りの物が配置されていく過程で、家庭の個性が自然と現れてきます。訪問を重ねるごとに、その家庭独特の雰囲気がより感じられ、数年後には完全にその家族の暮らしに適応した空間になります。このように、「家」から「住まい」への変化を感じることができます。

私たちの基本コンセプトは「穏やかで健康的で快適な家づくり」ですが、それぞれの家庭の望む暮らしに合わせて工夫しています。暮らし方によって家が変化することを改めて感じます。しかし、その暮らしも時間とともに変化し、その変化に対応するために私たちのサポートが必要です。

完成後も、不具合の対処だけでなく、住まい手の暮らしの変化に合わせたサポートを提供しています。可能な限りのサポートを提供することを誓っています。

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